中高年に多いひざの痛み
中高年でひざの痛みを抱える人ー40%!?
50歳以上でひざの痛みを抱える人はなんと!おおよそ40%だそうです・・・。結構多いですね。身体の関節の中でも痛くなりやすい場所です。歩く時、階段、立ち上がりなどで負担がかかりやすい関節だからです。
動作を観察しても想像がつくように、ひざは体重を一手に請け負ってる可哀想な関節のように思えます。
立ち上がりの方法・運動 〜困っている内容であなたに必要な運動がわかる!〜
ひざの痛みに対する運動ー股関節筋の重要性
ひざの痛みで鍛えるべき筋肉は大腿四頭筋だけではない
代表的でよく注目される大腿四頭筋。テレビなどでも頻繁に紹介されいてるトレーニングです。
しかし、この運動だけではひざの安定性は得られません。
ひざの周りには左右にコントロールできる筋肉がほとんどない
ひざは曲げたり伸ばしたりするのが主な仕事なので、当然筋肉もそのための筋肉がメインになります。伸ばすための大腿四頭筋と曲げるための大腿二頭筋が代表の筋肉です。その他にも筋肉はありますがそのほとんどが曲げ伸ばしのための筋肉です。ひざは横には曲がりませんからね。
しかし、歩く時にはひざに左右方向への負担がかかります。その証拠にO脚変形が起こるわけです。西洋の人はX脚が多いと言われていますが、いずれにしても多くの人は経年的な変形を経験します。
右の動画を見てください。女性の歩行の動画です。痛みもなさそうな滞りのない歩行です。ひざに注目をしてどのような力が加わっていそうか感覚でも良いので意識してみてください。
右足で立っている時に外(右)向きに力が加わっているのが分かるでしょうか。
骨盤、つまりお尻が左右に振られているのは分かるかと思います。それにつられるようにひざにも左右への力が加わっています。
このようにひざ自体は曲げ伸ばししかできませんが、歩行では左右の外力も加わっていることが分かります。この左右の外力を適度に抑えることができないと、ひざには大きな負担となります。この左右の外力を適度に押さえてくれるのが股関節筋なのです。
実際の運動の前に、もう少しうんちくを説明します。
ひざを安定させるために股関節を鍛える!?
ひざを改めて見てみると大腿骨と下腿骨で成り立っているのが分かります。
言い換えると、大腿骨と下腿骨がグラグラしているとひざもグラグラするということです。ひざを安定させるためには大腿骨と下腿骨を安定させる必要があります。
骨模型の写真を見てみると、股関節もひざ関節も大腿骨によって構成されていることが分かります。つまり、繰り返しになりますがひざを安定させるためには股関節を鍛えればいいのです!
ひざを安定させるためには股関節を鍛える
特にひざにかかる左右への負担には股関節筋が大きな役割を果たします。
股関節筋を鍛える!
では、具体的にどのようにして股関節筋を鍛えていくのか見てみましょう。
股関節の筋肉
股関節の筋肉には、有名なもので大殿筋、つまりお尻の筋肉がありますが、関節近くの深部筋も重要です。更に、内ももと呼ばれる部分にも大きな筋肉があります。
- 殿筋(中・大殿筋)
- 外旋筋(深部筋)
- 内転筋ー内もも
これらの筋肉はいずれもひざを安定させるのに役に立ちます。もちろん股関節の安定性にも重要です。深部筋は名の通り深部にあって、筋力は弱いですが関節を直接的に安定させます。殿筋といった大きな筋肉は筋力も大きく、力強い働きをします。安定した動作を行うためにはどちらも必要不可欠です。
では、実際に鍛える方法を見ていきましょう。運動の注意点がよく分からない場合は下のページをご覧ください。
大殿筋を鍛える!
お尻のための筋力トレーニング
お尻はなかなか鍛えにくい部分です。このお尻しめ運動は、5回ずつからでもいいので、気がついた時にやってみましょう。しっかりとお尻に力が入っていることを体感しながらやってみましょう。
中殿筋のトレーニングも合わせて行うとより効果的です。
ヒップアップにも効果バツグンです。
レベル1 寝転がってお尻を閉める
仰向けになってお尻を閉めるだけ!
ベッドが良い抵抗になってくれるので、お尻に集中してしっかり閉めましょう。
最初は力が入りにくいかもしれませんが段々感覚がつかめてくるはず!
レベル2 うつ伏せで片足を持ち上げる
うつ伏せが苦しくなく、レベル1が楽々行えるようでしたらレベル2にチャレンジしてみてください。
結構たいへんな運動なので息を止めないように注意してください
うつ伏せができない場合は経った状態で同じように行う方法もあります(下記)
お尻の筋肉(大殿筋)トレーニングのおすすめ動画
もっと積極的に運動を行いたい方に理学療法士がおすすめの動画を紹介します。
わざわざ寝転がる必要のないお尻の運動
寝転がって運動するのは意外に大変です。そんな時に立って気楽にできる運動を紹介します。
動画のように必ずどこか持ちながら行いましょう。
寝転がってできるお尻の運動(ハードなものまであります)
仰向けでできるお尻の運動です。出だしから徐々に負荷量が大きくなります。
10回ほどやって疲労があるようならレベルアップせずに、疲労を感じるレベルをしばらく行いましょう。楽々できるようになったらレベルアップです。
中殿筋を鍛える
横向きで寝た状態で足を持ち上げられない場合は、中殿筋が相当弱い状態です。そんな時は立った状態の方が足は軽く感じるので、そこから始めて、10回楽々行えるようになったら横向きに寝た状態でやってみましょう。横向きに寝た状態で楽々10回持ち上げることを目標に頑張ってみましょう。
お尻のための筋力トレーニング
お尻はなかなか鍛えにくい部分です。しかし、股関節やひざに負担をかけないためには重要な筋肉です。
大殿筋のトレーニングと合わせて中殿筋のトレーニングも行ってみましょう。
横向きで足を上げる
横向きで足を伸ばしたまま横に上げます。少し後ろに蹴り上げるイメージで行います。
大変な運動ですが息を止めないように!
わざわざ寝転がる必要のないお尻(中殿筋)の運動
寝転がって運動するのは意外に大変です。そんな時に立って気楽にできる運動を紹介します。
動画の中盤ごろに紹介されています。立ったまま足を横に持ち上げる運動です。
動画のように必ずどこか持ちながら行いましょう。
外旋筋を鍛える
股関節の奥の筋肉(外旋筋)のトレーニング
外旋筋が弱いと股関節のみならずひざにも負担がかかり、痛みの原因になることがあります。ひざが内側に入りやすい方は外旋筋のトレーニングを行ってみましょう。
横向きでできる外旋筋トレーニング
三宅チャンネルさんの横向き外旋筋トレーニングをお借りします
お尻の後ろを意識して動画といっしょに10回行いましょう。
お尻に意識集中!
息を止めない
内転筋(内もも)を鍛える
軽めの内転筋エクササイズです。ボールをしようしてもいいですし、枕やタオルでも代用できます。
腹筋が弱い!?
股関節ではないのですが、腹筋が異常に弱い場合要注意です。ひざや股関節の痛み、腰痛にも繋がってしまいます。それほどに重要な筋肉ですが、鍛えにくいのは事実です。変にやってしまうと腰痛を悪化させかねません。ここでは安全に行える運動を提案します。
注意点
息を止めないー血圧が上がるため
腰が痛いと感じる運動は行わない→負荷を下げて行う
腹筋のための筋力トレーニング
腹筋は体の中心部にあり、体の安定性を保つのに重要な役割を担っています。ただ、鍛えにくいのが難点。簡単なレベルからちょっと変わった方法までご紹介します。
※息を止めない、ゆっくりできる 位のレベルで抑えておきましょう。
楽々10回行えるようになったらレベルアップしましょう。
レベル1 寝た状態で両足を曲げ両足を持ち上げる
写真くらいに両足を曲げた状態から、ももをお腹に近づけます。
腰がそらないように気をつける
できるだけ太ももをお腹に近づける
レベル2 レベル1より少し足を前に出し両足持ち上げる
レベル1よりも少し足部を前に出してレベル1と同じように両足を持ち上げます。先程より少し持ち上げにくくなります。
腰はそらないようにしましょう
レベル3 頭を持ち上げておへそをのぞく
写真のように両足を曲げた状態で頭を持ち上げおへそをのぞきます。息が止まりやすくなるので注意しましょう。
息が止まらないように注意
最初は首が頑張りすぎるかもしれないので5回程度の少ない回数から実施します
座ってできる腹筋の運動
座った状態でも腹筋を鍛えることができます。
手でしっかり支えながら両足を持ち上げます。そんなに高く上げる必要はありません。最初は少し浮く程度でもいいので、息を止めずに余裕を持って行えるくらいにあげましょう。回数も少なめからでOKです。
高くあげなくてもいいから上げたまま少し止められる程度にしておく