歩行に役立つ用具・機器 〜杖〜
杖の種類
フランスベッドさんのHPに杖の種類と適応が掲載されています。とてもわかりやすいので参考にしてみてください。→杖の選び方（フランスベッドHP）
フランスベッドでは適応が書かれていますが、使わない方が良い人については書かれていたいのでここでは使わないほうが良いパターンも書いていきます。
松葉杖は難易度が高い
よく高齢者から「松葉杖はしっかりしてて使いやすいんじゃないの？」と聞かれることがあります。 確かに本体が大きいのでしっかりしているように見えますが、その分 扱いは少々厄介です。 松葉杖を使っても良いのは、
- 足が折れているなどして体重が乗せられない人
- バランス感覚が優れている人
- 立ちながら杖を扱うのに問題がない人
といった具合に松葉杖を扱うのは想像以上に難易度が高く、特に立ち座りの時にバランスを崩しやすいのが特徴です。 バランスの悪い人は使わないほうが良いですし、足に体重を乗せられる場合は使う意味がありません。
ロフストランド杖は 握力が弱い人用
ロフストランド杖は、前腕と手首の2箇所で体重を支えるタイプの杖です。 握力が低下しているなどの理由で1本杖では十分に支えきれない場合、ロフストランド杖が便利です。 手首にかかる負担は減るので、痛みがある場合などには役に立ちますが、そうでない場合には1本杖よりもかさばってしまうので、手首に問題がなければ、ロフストランド杖を使う必要ありません。
バランスが悪く転倒の心配がある人は、ロフストランドを両手に持って歩く方がいらっしゃいます。この方法の場合、松葉杖よりはかさばらず両方で支えられる分、転倒の心配は減ります。 ただし、両手が塞がるので、プラスアルファーの動作が行いづらく、高齢者が使うには難易度が高いです。
4点杖は バランスが悪く早く歩くことができない人用
4点杖とは先端が4つに分かれている杖です。これを見ると安定性が高くて安全なように見えるので「私も使ったほうが安全ですか？」と聞かれます。確かに安定性は高いのですが誰にでも最適とはいえません。
4点杖を使わない方が良い人
右の 動画を見ていただきたいのですが、着目ポイントは歩き方と歩いている速度です。
杖を出し、片足を出し、反対の足を揃えるようにゆっくりと歩いています。
この歩き方なら4点杖はオススメですが、これ以上の能力がある方（歩くのが早かったり、揃えないで歩くなど）にはおすすめできません。逆につまずいたり邪魔になる可能性があるからです。
立ち上がりに便利な幸和製作所のらくらく4点杖
立ち上がりは膝などに負担がかかり大きな筋力を 必要とする動作です。 そんな時に役に立つ4点杖があります。
らくらく4点杖であれば握り手が2カ所あり、下の握り手も利用して楽に立ち上がることができます。
プラットホーム杖は前腕全体で支える杖
ほとんどの杖は握って使用しなければならないのですが、プラットフォーム杖はリウマチなどで握ることが苦手な人に最適です。前腕全体をプラットフォームに置いて体重を支えることができるので、手首や肘はとても楽です。
ただ、手首や肘に問題がない方にとっては手で持ったほうが支えやすいので、歩行効率は悪くなってしまい向いていません。
押しながら使える車輪付きステッキ
「杖を使っていると肩が凝る」という意見をよく聞きます。そういった状態を少しでも改善してくれそうなアイテム！それが車輪付き素敵です。 なの通り車輪が付いているので、杖を持ち上げる必要がなく、押しながら使うことがでます。
また手提げをかけられるフックも付いてますのでちょっとした買い物の時に役立ちます。 ブレーキが付いているので、しっかり握ることができれば前に滑っていくと言う危険性も回避することができます。
これをおすすめしたいのは、
- 動画のように、ある程度ゆっくり歩く方
- そこまでしっかり支える必要がない人
逆に言うと、さっさと歩かれる方はあまり向いていません。 いくら構造上工夫がされていても、動きが早いとカーブやガタガタ道などで転倒するリスクが高くなるためです。 軽量ではありますが、階段昇降時も持ち上げないといけないので、その点も注意が必要です。
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使ったり使わなかったりするなら折りたたみ式がオススメ
1本杖を使いたいが、たまにはしまっておきたいという方には折りたたみ式のものがお勧めです。何段階かに折りたたみ、カバンの中に入るサイズになるのでとても便利です。 ただ通常の1本杖よりもコンパクトで細いので、一本杖でしっかり支えたい方には不向きです。
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歩行に役立つ用具・機器 〜歩行器・歩行車・シルバーカー〜
歩行器やシルバーカーを実生活に導入する時に着目すべきポイントについて説明します。
歩行器
下に紹介する歩行器は基本的に屋内の平らな場所で使用することが前提です。若干の構造的な違いはありますが、どれもまず歩行器を前に出してから上からしっかりと支えて体を前進させます。 違いは歩行器を前に出す方法だけです。腕の支えがなくても歩行できる方には向いていません。
また、どの機器にも言えることですが、使用方法が理解できない位の認知度だと安全性は低下してしまうので、 導入に不安がある場合は専門家に相談するなどしてください。
ピックアップ歩行器は持ち上げて歩行器を前に出す
ピックアップ歩行器は一旦歩行器を持ち上げ床に設置させてから、しっかりと腕で支えて前進する歩行器です。 歩行器を持ち上げる際にしっかり立っている必要があるので、立位バランスが悪い方には不向きです。
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交互式であれば歩行器の前進が楽
交互式の歩行器であれば、歩行器を前進するときに持ち上げる必要がありません。 交互に前に出すことによって移動することができるので、 ピックアップ型では立位を保つ自信がない方には最適です。
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キャスター付きであれば歩行器を押して前進させることができる
キャスター付き歩行器はキャスターによって歩行器を前進させるときに滑らせることができます。前進させあと、自分が移動する際に上から押さえつけると本体が沈み込み、自然に キャスターにブレーキがかかるようになっています。 上からしっかりと抑えないと沈み込みが浅く キャスターが滑り安全性が低下する危険性があります。
立ち上がりがしやすいように構造的に工夫されているものもあります。
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体力に自信がなければ座ることができるシルバーカー
買い物に行くとなんだかんだで時間が過ぎ、結構体力を消耗します。体力に自信がなければ座ることができるシルバーカーを選ぶようにしましょう。
イメージができない方は右の動画を御覧ください。
荷物入れがあるかどうかも重要なポイント
荷物入れがついているシルバーカーだと大変便利です。 ご自分で買い物にいかれる方は、荷物入れのあるもの選ぶようにしましょう。
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手首が痛い場合には肘で支えるタイプのシルバーカー
手首が痛いなどして支えにくい場合には、肘で支えるタイプのシルバーカーが便利です。 ただ手首に問題がない場合は逆に押しにくくなってしまいます。
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コンパクトな シルバーカーもある
歩行がある程度安定しているが、疲れるから使いたいと言うレベルの方であればコンパクトな歩行器がオススメです。
 | 価格:14800円 |
 | 価格:16800円 |
収納場所が気になるなら折りたたみ機能があるかに着目する
は収納スペースも気にしてみましょう。もし収納スペースが狭いようであれば折りたたみできる歩行器が便利です。 ワンタッチで折りたたみができるタイプのものもあります。
前に押しすぎて怖い人向けの抑速ブレーキ付きシルバーカー
シルバーカーや 歩行器を使うときに「前に押すと止まらなくなって怖い」という意見を聞くことがあります。多くのシルバーカーはブレーキが付いていますが、中には前に押し出すと自分で制動がかけられずに押しすぎて転倒してしまうケースがあるのは確かです。
そういった時に便利なこの歩行器は制動レベルを設定できるので、レベルを高くすると自然に歩行シルバーカーが重くなり、前に押しすぎるのを防いでくれます。 下り坂でも安心して使うことができます。
 | 価格:73000円 |
動画にもあるようにゆっくりと歩きたい、押しすぎるのが怖い方には向いていますが、逆に早く歩きたい、押しすぎる心配はないという方は普通型のシルバーカーの方が良いです。
抑速ブレーキが付いている分、本体の重量は多少重くなっています。 持ち上げる可能性がある場合は、普通型のシルバーカーの方が軽く持ち上げることができます。
ユーバ産業 アームフィットは多くを叶えるシルバーカー
ユーバ産業 アームフィットのシルバーカーは、ここまで解説してきた便利な機能を多く搭載しています。
まず手でも肘でも支えることができるので、押し方を変えることができ疲労軽減につながります。座面も付いているので座ることができ、荷物を入れるスペースもあります。 ワンタッチで折りたたむことも可能です。業者の方が詳しく説明している動画がありましたのでご参照ください。
 | 価格:43400円 |
介護保険のレンタル対象になる歩行関連機器
介護保険認定を受け認定されたら、介護保険でレンタルできる福祉用具があります（すべての介護度でレンタル可能）。レンタルできる歩行機器は、歩行器と歩行補助つえです。
歩行補助つえとは具体的に、松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホーム・クラッチ及び多点杖に限ります。購入やレンタル情報が気になる方は下の記事をお読みください。
全国福祉用具専門相談員協会HPでは、介護度によって何がレンタルできるかをわかりやすく示しています。
介護保険と福祉用具「レンタル・販売対象種目」（全国福祉用具専門相談員協会HP）
