リハビリでのトレーニングは主に以下のように分類できます。
セラピストは効果的で安全な方法を実施してくれていますが、自分でこれらの運動を効果的で安全に行うためにはコツがあります。どのトレーニングにおいても共通した事項です。
運動の順序
運動の順序は
ストレッチ→筋トレ→動作練習→(ストレッチ)
が基本です。筋トレは関節が柔らかい方が効果的です。そして筋トレによる怪我の予防にも有効です。最後のストレッチはクールダウンとして後々の疲労を最小限にするためのストレッチです。
しかし、すべてをきちんとやろうと思うと長続きしにくいのもまた事実。ご自宅出気楽に行いたい場合やながら運動だと、順番どおりにはなかなかできません。筋トレの強度で決めると良いと思います。
強い強度で筋トレを行いたい場合は、最初のストレッチからしっかりと行うべきです。弱い強度の場合は必ずしも順番通りではなく日常の中に取り入れる程度で良いと思います。弱い強度であっても継続することが大切です。もちろんデイケアなどでマシンを使った積極的な運動もまた効果的です。どちらも別の視点で重要であるといえます。
関節可動域運動、ストレッチ
ストレッチは筋肉が伸ばされて”少し痛い”くらいがベスト
伸ばす強さは自覚を指標にしましょう。筋肉が伸ばされて少し痛い程度が最も効果的だと言われています。
息を止めない
息を止めて力んでしまうと、筋肉のリラックスが得られないためにストレッチ効果が薄れてしまいます。どうしても息が止まってしまう場合はおそらくやり過ぎなので、ストレッチの程度を緩めて息が止まらない程度にしてください。
反動はつけずに30秒から1分程度じっとする
ストレッチには反動をつけるタイプのものもありますが、筋肉を柔らかくする目的であれば基本的に反動はつけずに、先述したように突っ張って少しだけ痛いところでじっとしましょう。
お風呂上がりなど筋肉が柔かいタイミングが効果的
シャワーでも良いのですが、お風呂後など体があったまってるタイミングでストレッチを行うとより効果的です。筋肉を温めると緩むためにより効果の高いストレッチを行うことができます。
理想的には毎日、最低でも1週間に3日は行う
せっかくストレッチをしても日々生活をしているとあっという間に硬くなります。人にはクセがあって硬くなりやすい場所が人それぞれ違います。自分が固くなりやすい部分を頻度多めに行うと段々と柔らかくなってくるのが分かると思います。
筋力トレーニング
息を止めない→数を数えるとこらえを予防できる
強度が強すぎるなどして息を止めてしまうと、筋トレの効果が半減するだけではなく、血圧が上がってしまい危険なので息はするようにしましょう。クセで止めてしまう人は運動回数を声に出して数えながら行えば、自然に呼吸を止めずに運動をすることができます。
運動速度を意識する→基本的にゆっくり行うと負荷量は上がる
反動をつけながら運動を速く行ってしまうと、筋肉がしっかり収縮できずに効果が半減します。実は速く行うことで効果的な方法もあるのですが、少しマニアックになってしまいますので基本的にはゆっくりと呼吸をしながら行うように心がけましょう。
筋肉痛が好きなら少しきつめの負荷設定、嫌いなら軽めの負荷で
筋肉の負荷量が大きくなると翌日以降の筋肉痛が起こる可能性が出てきます。筋肉痛は決して悪い現象ではなく筋肉を強くするための過程としてはむしろ良い反応と言えます。中には筋肉痛が好きだという方もいますが、逆に苦痛に感じる方もいます。筋肉痛のレベルにもよりますが生活に支障をきたすレベルだと困ってしまうのも事実です。
筋肉痛を極力起こしたくない場合は、最初は負荷量を少なくし回数も10回程度と少なめにしておきましょう。物足りないくらいの負荷量を1週間程度続けてから負荷量を上げていくと良いでしょう。
逆に運動に慣れていて筋肉痛を起こしたい場合は、20回の運動ががやっと行える程度の負荷量にするとよいです。それでも軽い場合は15回、それでも軽い場合は10回とします。しかし10回レベルになると血圧上昇などのリスクも出てきます。ボディビルダーとかでなければ20回が疲れる程度の負荷量が良いのではないかと思います。
動作の練習
安全第一
立ち上がりや歩行、階段昇降など動作の直接的な練習は日常生活に直結する大事な意味を持っていますが、それだけに転倒や怪我のリスクもあります。無理はせずに手すりのあるところで行うなど、怪我の予防に務めましょう。
その先の目的を持つと続きやすい
人は動作練習をするために動作をするわけではありません。例えば歩くために歩くのではなく、買い物に行くために歩くのです。家の中のちょっとしたことでもいいので日常生活を普通に送りながら運動できれば言うことはありません。「今日は2階に行って整理をしよう」と決め階段昇降を行う、といったように用事を決めてしまってついでに運動をすることであまり気負いせずに運動をすることができます。
もちろん無理は禁物ですが、単純に運動だけを行っているより日常の中に少しずつ取り入れる工夫をしてみてもいいかもしれません。